群の概念の一般化

は様々な見方ができて面白い:

  1. 群は, object が一つで morphism が全て逆を持つ small category である。
  2. 群は, 自分自身に conjugation で作用する。
  3. 群からは, group ring という Hopf algebra が作られる。
  4. Lie群からは, その Lie algebra の universal enveloping algebra として Hopf algebra が作られる。
  5. 群の表現の圏は, tensor category になる。
  6. 有限群 \(G\) に対し\(G\)-graded vector space の圏は, \(G\) の \(3\)-cocycle (\(H^3(G;\bbC ^{\times })\)の元) で twist することにより, tensor category になる。
  7. ホモトピー同値 \(\Omega BG \simeq G\) がある。

最初の見方から群を一般化したのが, groupoid であり small category である。 また, 単位元の存在と積が結合的であることを取り出すと monoid になり, 逆元を持つということだけに着目すると algebraic loop という構造が得られる。

Monoid では, 演算が部分的にしか定義されていないものを partial monoid として考えることがあるが, 群の場合でも, 演算が部分的にしか定義されていないものを考えることがある。

例えば, Chermak [Che13] が fusion system のために使っている partial group がある。Broto と Gonzalez [BG]がその拡大の理論を展開している。

  • partial group

他にも, 位相空間で, ある条件をみたす open dense subset 上で積と逆元をとる操作が定義されているものがある。group chunk と呼ぶようである。 この Tao の blog の記事 では local group と呼ばれているものも, 同じような概念であるが, 定義域が dense であるということは仮定されていない。

  • group chunk
  • local group

van den Dries の [Dri90] によると, complex algebraic variety の場合, group chunk が代数群に拡張できるという事実は, Weil の group chunk theorem というらしい。van den Dries は, その topological version を考えている。

Tao らは, [BGT] で approximate group という概念を考えている。

  • approximate group

これは, 群というより部分群 (部分monoid) の概念の拡張のようである。つまり, ある群 (やlocal group) の部分集合が “だいたい積で閉じている” ということを表した概念である。Green による Notices of AMS の “WHAT IS \(\ldots \)?” の解説 [Gre12] もある。

3番目と4番目の視点からは量子群の概念が得られる。

また, 3番目から別の視点で得られた群の一般化としては, hypergroup という ものがある。Litvinov の解説 [Lit] で扱われているのは, 作用素環の視点からの一般化であるが, そこに特別な例として書かれている multivalued group のことを (canonical) hypergroup と呼ぶのが普通のようである。

  • hypergroup

つまり, canonical hypergroup \(G\) とは, 積が \(G\) の部分集合に値を持つ群の一般化である。 この MathOverflow の質問は, Connes と Consani の [CC11; CC10] で登場する hyperring の underlying structure 以外に hypergroup はどのようなところで現れるか, という内容である。 それに対する回答では, Wildberger の[Wil95] が参照されている。他にも様々な名前で様々な分野に登場してきたようである。

Connes と Consani の論文で参照されているのは, Marty の 1934年の論文と Krasner の [Kra83] であるが, Marty の論文は この hyperstructure に関するwebsite で見ることができる。解像度は悪いが。

また association scheme も例として挙げられている。

  • association scheme

群の表現とは, group ring の表現だから, 5番目の視点は3番目の視点の一般化である。 また6番目も合わせて fusion category を有限群の一般化と見なす人もいる。似たような概念で group category というものもある。

7番目の事実から, ホモトピー論的には分類空間を調べればよいことが分かる。 その方向からの一般化もいくつか考えられている。例えば, 有限群の場合は \(p\)-local finite group, Lie 群の場合は finite loop space (\(p\)-compact group) や \(p\)-local compact group など。

高次の圏を用いた群の概念の一般化もある。 まずは, \(2\)-category を用いたもの。

Fiorenza と Schreiber と Stasheff [FSS] は, quasicategory を用いた Lie群の一般化を考えている。

このような圏論的な一般化以外にも, 「演算を持った集合」の素朴な一般化も色々ある。 例えば2番目の性質を一般化したのが quandle や rack と呼ばれるものである。

References

[BG]

Carles Broto and Alex Gonzalez. An extension theory for partial groups. arXiv: 2105.03457.

[BGT]

Emmanuel Breuillard, Ben Green, and Terence Tao. The structure of approximate groups. arXiv: 1110.5008.

[CC10]

Alain Connes and Caterina Consani. “From monoids to hyperstructures: in search of an absolute arithmetic”. In: Casimir force, Casimir operators and the Riemann hypothesis. Walter de Gruyter, Berlin, 2010, pp. 147–198. arXiv: 1006.4810.

[CC11]

Alain Connes and Caterina Consani. “The hyperring of adèle classes”. In: J. Number Theory 131.2 (2011), pp. 159–194. arXiv: 1001.4260. url: http://dx.doi.org/10.1016/j.jnt.2010.09.001.

[Che13]

Andrew Chermak. “Fusion systems and localities”. In: Acta Math. 211.1 (2013), pp. 47–139. url: https://doi.org/10.1007/s11511-013-0099-5.

[Dri90]

L. P. D. van den Dries. “Weil’s group chunk theorem: a topological setting”. In: Illinois J. Math. 34.1 (1990), pp. 127–139. url: http://projecteuclid.org/euclid.ijm/1255988498.

[FSS]

Domenico Fiorenza, Urs Schreiber, and Jim Stasheff. Cech cocycles for differential characteristic classes – An \(\infty \)-Lie theoretic construction. arXiv: 1011.4735.

[Gre12]

Ben Green. “What is\(\ldots \) an approximate group?” In: Notices Amer. Math. Soc. 59.5 (2012), pp. 655–656. url: https://doi.org/10.1090/noti829.

[Kra83]

Marc Krasner. “A class of hyperrings and hyperfields”. In: Internat. J. Math. Math. Sci. 6.2 (1983), pp. 307–311. url: http://dx.doi.org/10.1155/S0161171283000265.

[Lit]

Grigory L. Litvinov. Hypergroups and Hypergroup Algebras. arXiv: 1109.6596.

[Wil95]

N. J. Wildberger. “Finite commutative hypergroups and applications from group theory to conformal field theory”. In: Applications of hypergroups and related measure algebras (Seattle, WA, 1993). Vol. 183. Contemp. Math. Amer. Math. Soc., Providence, RI, 1995, pp. 413–434. url: https://doi.org/10.1090/conm/183/02075.