作用素環とその周辺

\(K\)-theory非可換幾何学では, 作用素環は不可欠な道具である。表現論でも重要な役割を果す。 作用素環とトポロジーの繋がりとしては, Jones の仕事も重要である。

作用素環の教科書として何が良いのかよく分からない。例えば, [Tak02; Tak03a; Tak03b] といったものがあるが。 夏目氏による「トポロジストのための作用素環論入門」が この数学メモアールの第I部として収録されているので, まずはこれを読んでみるとよいかもしれない。

まずは Hilbert 空間やその上の作用素などの関数解析の基礎を知っていないといけない。

そして, 以下のものを知っておくべきだろうか。

“Measurable field of Hilbert space” については, 様々な変種が考えられる。 Hilbert 空間の代わりに Banach 空間を考えたり, measurable という条件を continuous という条件に変えることもできる。Continuous filed of Banach/Hilbert space は, Bos の [Bos] で groupoid の表現を考えるために用いられている。

作用素環は, 解析学の中では, 最も抽象的な概念が受け入れられやすい世界かもしれない。例えば, categorification という言葉が登場したのは 90年代半ばであるが, \(C^*\)-algebravon Neumann algebra の category 化 (many-objectification) は80年代から考えられていた。

\(C^*\)-algebra 以外でも極大イデアルの成す空間を考えることはできる。

  • 極大イデアルの成す空間

その rational homotopy type を調べよう, というのが Lupton と Phillips と Schochet と Smith の [Lup+] である。

非可換空間のトポロジーや幾何学を考えるときには, cyclic homologyHochschild homology といった道具も重要であり, 各種 topological algebra に対しても定義されている。Lykova の [Lyk] では Helemskii の本 [Hel89] が参考文献として挙げられている。

数理物理との関連については, Halvorson の [HM] を見るとよい。

References

[Bos]

Rogier Bos. Continuous representations of groupoids. arXiv: math/0612639.

[Hel89]

A. Ya. Helemskii. The homology of Banach and topological algebras. Vol. 41. Mathematics and its Applications (Soviet Series). Translated from the Russian by Alan West. Dordrecht: Kluwer Academic Publishers Group, 1989, pp. xx+334. isbn: 0-7923-0217-6. url: http://dx.doi.org/10.1007/978-94-009-2354-6.

[HM]

Hans Halvorson and Michael Mueger. Algebraic Quantum Field Theory. arXiv: math-ph/0602036.

[Lup+]

Gregory Lupton, N. Christopher Phillips, Claude L. Schochet, and Samuel B. Smith. Banach Algebras and Rational Homotopy Theory. arXiv: math/0509269.

[Lyk]

Zinaida A. Lykova. Cyclic cohomology of certain nuclear Fréchet and DF algebras. arXiv: 0704.1019.

[Tak02]

M. Takesaki. Theory of operator algebras. I. Vol. 124. Encyclopaedia of Mathematical Sciences. Reprint of the first (1979) edition, Operator Algebras and Non-commutative Geometry, 5. Berlin: Springer-Verlag, 2002, pp. xx+415. isbn: 3-540-42248-X.

[Tak03a]

M. Takesaki. Theory of operator algebras. II. Vol. 125. Encyclopaedia of Mathematical Sciences. Operator Algebras and Non-commutative Geometry, 6. Berlin: Springer-Verlag, 2003, pp. xxii+518. isbn: 3-540-42914-X.

[Tak03b]

M. Takesaki. Theory of operator algebras. III. Vol. 127. Encyclopaedia of Mathematical Sciences. Operator Algebras and Non-commutative Geometry, 8. Berlin: Springer-Verlag, 2003, pp. xxii+548. isbn: 3-540-42913-1.