球面の安定ホモトピー群

球面の (安定) ホモトピー群の重要な元として, Hopf invariant one の元があるが, その高次元での非存在については, 最初 Adams [Ada60] が secondary operation を使って, そして Adams と Atiyah [AA66] が \(K\)理論Adams operation を用いて証明した。

  • Hopf invariant one の元 \(\eta ,\nu ,\sigma \)

Adams の研究は, Adams spectral sequence という形に一般化され, 安定ホモトピー論では, Adams 型のspectral sequence がホモトピー群を調べるための基本的な道具となった。

球面の安定ホモトピー群の計算方法と, どこまで計算できているかについては, Wang と Xu の [WX17] の section 2 にまとめられている。彼等自身, その論文で \(61\)次の球面の安定ホモトピー群が\(0\)であることを示している。

Hopf invariant one の次に, 球面の安定ホモトピー群についての重要な問題だった, Kervaire invariant one の元の存在の問題も, 最近, Hill と Hopkins と Ravenel [HHR16] により このような手法により (1つの場合を除いて) 解決された。

そこでは, equivariant stable homotopy theory も重要な道具として使われている。

安定ホモトピー論とは, 簡単に言えば, Freudenthal の懸垂定理により同型が成り立つ範囲で成り立つ現象についての研究であり, 現在では spectrum の圏の構造の研究と言ってよいだろう。 球面のホモトピー群も, stable な世界と unstable な世界では調べる方法が大きく異なっている。

安定ホモトピー論では, 代数的な技術の発達と Mahowald や Ravenelや Hopkins などのアイデアにより, 80年代以降球面のホモトピー群 (そして安定ホモトピー圏) の大域的構造についていろんなことが分かってきた。 それについては, Ravenel の本[Rav03; Rav92] を見るのがよいと思う。 Goerss の解説 [Goe] を読んでまず概略を掴むのもよいだろう。

周期性と関係があるものとして, Mahowald が root invariant という名前で導入したものがある。最近では Quigley [Qui] のように, Mahowald invariant と呼ぶ人も多い。

  • root invariant あるは Mahowald invariant

文献としては, Mahowald と Ravenel の [MR93] を挙げるべきだろうか。Definition 1.10 に定義がある。 球面の安定ホモトピー群の元から, 新しい球面の安定ホモトピー群の元を構成する方法であるが, Baily と Ricka の [BR19] に書かれているように, \(v_{n}\)-periodic な元から \(v_{n}\)-torsion, よって \(v_{n+1}\)-periodic な元を作る (ことが予想されている) からである。

安定ホモトピー群は framed cobordism 群と同型だから, 球面の安定ホモトピー群の元を表わす framed manifold があるはずである。 また Lie群 は framed manifold だから, Lie 群の表わす球面のホモトピー群の元が何かという問題も考えられる。

Loday は operadに関する問題のリスト [Lod12] の最後で, 球面の安定ホモトピー群の \(p\)-component を \(2p-3\)次の元 \(\alpha _1\) 一つで生成された「代数」として表すという問題を提示している。 もちろん, このときの \(p\) は奇素数だろう。もし Loday の言うように operad に類似の構造として記述できるとしたら, ちょっと驚きである。

References

[AA66]

J. F. Adams and M. F. Atiyah. “\(K\)-theory and the Hopf invariant”. In: Quart. J. Math. Oxford Ser. (2) 17 (1966), pp. 31–38.

[Ada60]

J. F. Adams. “On the non-existence of elements of Hopf invariant one”. In: Ann. of Math. (2) 72 (1960), pp. 20–104. url: https://doi.org/10.2307/1970147.

[BR19]

Scott M. Bailey and Nicolas Ricka. “On the Tate spectrum of tmf at the prime 2”. In: Math. Z. 291.3-4 (2019), pp. 821–829. arXiv: 0904.3687. url: https://doi.org/10.1007/s00209-018-2108-z.

[Goe]

Paul G. Goerss. The Adams-Novikov Spectral Sequence and the Homotopy Groups of Spheres. arXiv: 0802.1006.

[HHR16]

M. A. Hill, M. J. Hopkins, and D. C. Ravenel. “On the nonexistence of elements of Kervaire invariant one”. In: Ann. of Math. (2) 184.1 (2016), pp. 1–262. arXiv: 0908.3724. url: https://doi.org/10.4007/annals.2016.184.1.1.

[Lod12]

Jean-Louis Loday. “Some problems in operad theory”. In: Operads and universal algebra. Vol. 9. Nankai Ser. Pure Appl. Math. Theoret. Phys. World Sci. Publ., Hackensack, NJ, 2012, pp. 139–146. arXiv: 1109.3290. url: https://doi.org/10.1142/9789814365123_0007.

[MR93]

Mark E. Mahowald and Douglas C. Ravenel. “The root invariant in homotopy theory”. In: Topology 32.4 (1993), pp. 865–898. url: http://dx.doi.org/10.1016/0040-9383(93)90055-Z.

[Qui]

J. D. Quigley. \(\mathit {tmf}\)-based Mahowald invariants. arXiv: 1911.07975.

[Rav03]

Douglas C. Ravenel. Complex Cobordism and Stable Homotopy Groups of Spheres. 2nd ed. American Mathematical Society, Nov. 2003. isbn: 9780821829677.

[Rav92]

Douglas C. Ravenel. Nilpotence and periodicity in stable homotopy theory. Vol. 128. Annals of Mathematics Studies. Appendix C by Jeff Smith. Princeton, NJ: Princeton University Press, 1992, pp. xiv+209. isbn: 0-691-02572-X.

[WX17]

Guozhen Wang and Zhouli Xu. “The triviality of the 61-stem in the stable homotopy groups of spheres”. In: Ann. of Math. (2) 186.2 (2017), pp. 501–580. arXiv: 1601 . 02184. url: https://doi.org/10.4007/annals.2017.186.2.3.