Hopf algebra に関連した代数的構造

Hopf algebra に関連して, 様々な代数的構造が定義されている。

まず, 「代数」という名前から, module や comodule を考えることができる。 もちろん, module と comodule の両方の構造を持ち, 「それらが compatible である」という条件をつけたものも考えられている。 ただ, その compatibility の条件には, 色んなものがある。

まずは, Hopf module というものがある。Sweedler の本 [Swe69] の 4.1 にまとめられている。

  • Hopf module

Hopf module の両側加群 (bimodule) 版は, Hopf bimodule と呼ばれる。 Cibils と Rosso [CR98] によると, Nichols により [Nic78] で導入されたのが最初のようであるが, Schauenburg [Sch94] によると, Woronowicz [Wor89] により再発見されたようである。

  • Hopf bimodule

別の module と comodule の compatibility を要求するものとしては, Yetter-Drinfel\('\)d module がある。anti-Yetter-Drinfel\('\)d module など, 様々な variation がある。

  • Yetter-Drinfel\('\)d module とその一般化 [PS07]

重要なことは, Hopf algebra \(H\) 上の module や comodule の category は monoidal category になることである。 よって, monoid object や comonoid object を定義することができる。 全部で4つの組み合わせがあるが, 更に \(H\) の (co)action が右か左かという選択肢もあるのでややこしい。

  • \(H\)-module algebra
  • \(H\)-module coalgebra
  • \(H\)-comodule algebra
  • \(H\)-comodule coalgebra

これらの algebra や coalgebra に対しては, それらの上の module や comodule を考えることもできる。 もともとの (co)module (co)algebra への \(H\) の (co)action に右か左かの選択肢があるが, さらにこれらの (co)algebra の (co)module への (co)action に右か左かの選択肢があるのでややこしい。 ただ, 定義は (co)module の構造が \(H\) の (co)action と compatible というだけなので, 容易に想像できるものではあるが。

このような (co)module (co)algebra 上の (co)module について, 最初に調べたのは Doi [Doi83] なのだろうか。\(H\)-comodule algebra \(A\) に対し \((H,A)\)-Hopf module が定義されている。また, [Doi92] では, \(H\)-module coalgebra \(C\) と \(H\)-comodule algebra \(A\) に対し \((C,A)\)-Hopf module という概念が定義されている。

一方, module algebra \(A\) の場合には, Kaygun と Khalkhali の Hopf-cyclic homology に関する論文 [KK10] では, 対応するものは, \(H\)-equivariant \(A\)-module と呼ばれている。この辺の用語を統一しないと, 読み辛い。

Hopf algebra群の一般化と考えると, 群に関係した代数的構造の Hopf algebra への拡張が考えられる。そのようなものとして, 例えば拡大がある。

群作用の Hopf algebra版として, 当然 Hopf algebra の作用や表現が考えられているが, 群の半直積や skew group ring の類似として, smash product あるい は crossed product と呼ばれる構成がある。 代数的トポロジーでの, 基点付き空間に対する smash product と同じ名前になっているので困る。

群については, \(C^{*}\)-algebra の文脈で, Exel [Exe94] により導入された partial action があるが, その Hopf algebra 版もある。 Caenepeel と Janssen [CJ08] により導入された。

  • partial Hopf algebra action

References

[CJ08]

S. Caenepeel and K. Janssen. “Partial (co)actions of Hopf algebras and partial Hopf-Galois theory”. In: Comm. Algebra 36.8 (2008), pp. 2923–2946. arXiv: math/0610524. url: http://dx.doi.org/10.1080/00927870802110334.

[CR98]

Claude Cibils and Marc Rosso. “Hopf bimodules are modules”. In: J. Pure Appl. Algebra 128.3 (1998), pp. 225–231. url: http://dx.doi.org/10.1016/S0022-4049(97)00060-1.

[Doi83]

Yukio Doi. “On the structure of relative Hopf modules”. In: Comm. Algebra 11.3 (1983), pp. 243–255. url: https://doi.org/10.1080/00927878308822847.

[Doi92]

Yukio Doi. “Unifying Hopf modules”. In: J. Algebra 153.2 (1992), pp. 373–385. url: https://doi.org/10.1016/0021-8693(92)90160-N.

[Exe94]

Ruy Exel. “Circle actions on \(C^{*}\)-algebras, partial automorphisms, and a generalized Pimsner-Voiculescu exact sequence”. In: J. Funct. Anal. 122.2 (1994), pp. 361–401. arXiv: funct-an/9211001. url: http://dx.doi.org/10.1006/jfan.1994.1073.

[KK10]

Atabey Kaygun and Masoud Khalkhali. “Bivariant Hopf cyclic cohomology”. In: Comm. Algebra 38.7 (2010), pp. 2513–2537. arXiv: math/0606341. url: http://dx.doi.org/10.1080/00927870903417695.

[Nic78]

Warren D. Nichols. “Bialgebras of type one”. In: Comm. Algebra 6.15 (1978), pp. 1521–1552. url: https://doi.org/10.1080/00927877808822306.

[PS07]

Florin Panaite and Mihai D. Staic. “Generalized (anti) Yetter-Drinfeld modules as components of a braided \(T\)-category”. In: Israel J. Math. 158 (2007), pp. 349–365. arXiv: math / 0503413. url: http://dx.doi.org/10.1007/s11856-007-0016-8.

[Sch94]

Peter Schauenburg. “Hopf modules and Yetter-Drinfel\('\)d modules”. In: J. Algebra 169.3 (1994), pp. 874–890. url: http://dx.doi.org/10.1006/jabr.1994.1314.

[Swe69]

Moss E. Sweedler. Hopf algebras. Mathematics Lecture Note Series. W. A. Benjamin, Inc., New York, 1969, pp. vii+336.

[Wor89]

S. L. Woronowicz. “Differential calculus on compact matrix pseudogroups (quantum groups)”. In: Comm. Math. Phys. 122.1 (1989), pp. 125–170. url: http://projecteuclid.org/euclid.cmp/1104178320.