双対性

一口に双対性といっても, 様々なものがある。

位相空間やCW複体, そして spectrum に対する双対性に限っても, 様々なものがある。

代数的トポロジーにおける duality で, 最も古典的なのは, Spanier-Whitehead dual と Hilton-Eckmann dual だろうか。

Hilton-Eckmann duality は, 明確に定義されたものではなく, 「何となく双対的」なものに対して使う。例えば, fibration と cofibration とか, suspension と loop space とか, 球面と Eilenberg-Mac Lane space とか。 このように, 関手の随伴性や model category の言葉で説明できる場合もある。 あまり文献はないが, Hatcher の本 [Hat02] の section 4.H は, Hilton-Eckmann duality に関するものである。

Spanier-Whitehead duality は, ホモロジーの Alexander duality が元になっている。その特別な場合として, Atiyah duality がある。

その後, stable homotopy category では, 様々な duality が導入されている。

関連して, Dwyer と Greenlees と Iyengar は, [DGI06] で, トポロジーと代数における様々な双対性の比較を行なっている。 特に以下のdualityを統一的な視点で捉えることに成功している。

このような, dual object を持つ圏を扱うための枠組みも, 色々提案されている。

References

[Ati61]

M. F. Atiyah. “Thom complexes”. In: Proc. London Math. Soc. (3) 11 (1961), pp. 291–310. url: https://doi.org/10.1112/plms/s3-11.1.291.

[DGI06]

W. G. Dwyer, J. P. C. Greenlees, and S. Iyengar. “Duality in algebra and topology”. In: Adv. Math. 200.2 (2006), pp. 357–402. arXiv: math/0510247. url: http://dx.doi.org/10.1016/j.aim.2005.11.004.

[Hat02]

Allen Hatcher. Algebraic topology. Cambridge: Cambridge University Press, 2002, pp. xii+544. isbn: 0-521-79160-X; 0-521-79540-0.

[SW53]

E. H. Spanier and J. H. C. Whitehead. “A first approximation to homotopy theory”. In: Proc. Nat. Acad. Sci. U. S. A. 39 (1953), pp. 655–660.

[SW55]

E. H. Spanier and J. H. C. Whitehead. “Duality in homotopy theory”. In: Mathematika 2 (1955), pp. 56–80.