このウェブサイトについて

このウェブサイトは, 玉木 大が管理しています。 管理人についての公式の情報は, 以下の信州大学のページにあります:

researchmap でも, ほぼ同じ情報を取得できます。

1 このウェブサイトを公開するまでの経緯

このウェブサイト元になったウェブサイトを研究室で立ち上げたのは, 2006年だったように思います。当初の目的は次の二つでした:

  • 代数的トポロジーを勉強し始めた人が, 最短距離で最先端の文献が読めるようになるために, できるだけ余計なことに時間をとられないで必要なことを勉強するためのガイド
  • 数学のコンテンツをウェブで公開する技術の実験

かつて, 横田一郎先生がご存命だったときに, よく「ずるく勉強せなあかん」 とおっしゃられていました。 「最短距離で最先端」という意味は, この横田先生の言葉がよく表しています。 今の時代は, ウェブで検索するのが「ずるく勉強すること」だと思いますが, ウェブで検索したときに正しい文献がすぐに見付かると, 効率良く勉強できます。 そのためには, どの文献にどういうことが書いてあるかをまとめたサイトがあると便利です。

ウェブの技術, より正確には \(\mathrm {\LaTeX }\) とウェブの連携の技術を試すために, 今までいくつかの方法を実験してきました。 このウェブサイトの元になった研究室の「文献ガイド」のウェブサイトも, その実験の一環でした。 基本的には, このサイトも同じ技術を使っていますが, 数式を画像ではなく, MathJax で表示しているところが大きな違いです。

しかしながら, 研究室の「文献ガイド」の運営を始めてみると, 次第に「自分のため」の文献メモという性格が色濃くなっていきました。 arXiv などで見付けた面白そうな論文を忘れないようにメモしておくために, とても便利です。 もっとも, そのメモが院生を指導する際に役立ったりすることもあるのですが。

そこで, 開き直って「自分のために」毎日更新を続けたところ, 次第にアクセス数が増えていき, 一日の平均 unique visitor が, 2009年9月には600人に逹しました。 それで科学研究費補助金研究成果公開促進費 (研究成果データベース) にこのサイトを応募してみたところ, 北大の秋田さんの協力もあり2回目の挑戦で2010年度に採択されました (課題番号228036)。

サーバのハードディスクが壊れたり, ウェブサイトを動かすのに使っていた XSLT のライブラリが使えなくなったりと, 色々トラブルはありましたが, 何とかその都度復旧し運営していました。ところが, 2018年10月に, OS の version の関係で更新ができなくなりました。 更に, 動かしていた研究室の Mac mini の調子が悪くなり, 時々熱暴走するようになってしました。

最終的に, 2021年6月に復旧できなくなったとき, 立川裕二さんから問い合わせの e-mail があり, そのときに学外のサーバに移して公開することを決断しました。 実は, 2020年に, ウェブサイトを動かす Ruby の script を改良していたので, それを使って新しいウェブサイトを立ち上げました。pantodon.jp というドメインも取得し, 公開し始めたのがこのウェブサイトです。 学外のサーバに移行する決断を後押ししてくれた立川さんには感謝します。

ただ, レンタルサーバを借り, ドメインを取得することで, 維持管理費が要るようになったので, クラウドファンディングでそのための資金を確保することを考えました。 2022年1月14日スタートとなりました。

2 このウェブサイトの仕組み

このウエブサイトの基本的な仕組みは以下の図の通りです: \[ \xymatrix { & & \text {画像} \ar [ddrr]^{\texttt {httpd}} & \\ \mathrm {\LaTeX } \ar [urr]^{\mathrm {\TeX }\text {4ht}} \ar [r]_{\mathrm {\TeX }\text {4ht}} & \text {XHTML} \ar [dr] \\ & \text {更新情報} \ar [r] & \text {Ruby script} \ar [dr] \ar [r] & \text {XHTML} \ar [r]^{\texttt {httpd}} & \text {ブラウザ} \\ & \text {その他のデータ} \ar [ur] & & \text {CSS} \ar [ur]_{\texttt {httpd}} } \]

かつては, \(\mathrm {\TeX }\)4ht で数式を画像に変換していたのですが, 現在では, MathJax を用いて数式を表示するようにしています。 また, 以前は, \(\mathrm {\TeX }\)4ht で日本語を扱うには, j\(\mathrm {\TeX }\) を使う必要があり, 生成された XHTML も, 余分なタグがたくさん含まれた汚ないものだったのですが, 現在では, Lua\(\mathrm {\LaTeX }\) を使うことにより, 「自然に」日本語が扱えるようになっています。 このウェブサイトでも Lua\(\mathrm {\LaTeX }\) を使っています。

\(\mathrm {\TeX }\)4ht では, 変換するたびに CSS も生成されるのですが, その CSS を用いることはせず, それを参考に作成した CSS を用いています。

\(\mathrm {\TeX }\)4ht による変換は, \(\mathrm {\LaTeX }\) ファイル (と Bib\(\mathrm {\TeX }\) データ) を作成 (更新) したときに行なわれ, 生成された XHTML ファイルは, サーバに送られます。サーバでは, ブラウザからの要求があったとき, 真ん中の Ruby script が動き, XHTMLデータなどが生成され, ブラウザに送られます。

Ruby script は, かつては, XSLT を使って XHTML を加工していましたが, 現在は Nokogiri を使っています。 このようなウェブサイトの構築に興味がある方がいらっしゃれば, Ruby script を公開するかもしれません。