Serreスペクトル系列

最初に代数的トポロジーで実用化された スペクトル系列が, Serre (Leray-Serre) スペクトル系列である。そのためか, かつては代数的トポロジーの修行の第二段階として, よく Serreスペクトル系列が題材に取り上げられた。

しかしながら, Serreスペクトル系列の構成は結構複雑である。 他のスペクトル系列と比べて, ホモロジー代数の知識をあまり要求されないという意味では初等的であるが。

Serreスペクトル系列の構成法は何種類かある。

どの構成もそれなりに面倒であるが, 個人的には, Segal と May の構成が好きである。 胞体分割という functorial でないデータを用いなければならないので, CW複体は好きではないし, 一般 (コ)ホモロジーにも適用できる方法でないと嫌なので, chain complex による構成も嫌いである。

Borel construction に associate した fibration の場合, Leray の構成と Serre の構成を比較しているのが, Barnes の [Bar] である。 Sikora が [Sik04] で Swan spectral sequence と呼んでいる spectral sequence との比較も行なっている。

更に, \(E^2\)-term を記述するために 局所係数が必要になることも敷居を高くしている。

そこで, Serreスペクトル系列については, まず存在を仮定して, 具体例を計算してみることをお勧めする。 その際重要なのが, 転入定理 (transgression theorem) である。よって, コホモロジー作用素を知っている必要がある。

  • 転入 (transgression) の定義
  • homology suspension の定義
  • 転入と homology suspension の関係
  • 転入定理
  • 工藤の転入定理 (Kudo transgression)

Kudo transgression については, Steenrod の reduced power operation の構成を詳しく調べなければならない。例えば, May の [May70] を見るとよいだろう。

Serre spectral sequence が, いつ \(E_2\)-term で collapse するか, という問題も古くから考えられている。Flat fiber bundle の場合, Banagl [Ban] が, intersection space を用いて考えている。

より一般的な文脈でも、 Serreスペクトル系列の類似が用いられることがある。

References

[Ban]

Markus Banagl. Isometric Group Actions and the Cohomology of Flat Fiber Bundles. arXiv: 1105.0811.

[Bar]

Donald W. Barnes. On Sikora’s spectral sequences. arXiv: math/0607246.

[Bro59]

Edgar H. Brown Jr. “Twisted tensor products. I”. In: Ann. of Math. (2) 69 (1959), pp. 223–246.

[May70]

J. Peter May. “A general algebraic approach to Steenrod operations”. In: The Steenrod Algebra and its Applications (Proc. Conf. to Celebrate N. E. Steenrod’s Sixtieth Birthday, Battelle Memorial Inst., Columbus, Ohio, 1970). Lecture Notes in Mathematics, Vol. 168. Berlin: Springer, 1970, pp. 153–231.

[May75]

J. Peter May. “Classifying spaces and fibrations”. In: Mem. Amer. Math. Soc. 1.1, 155 (1975), pp. xiii+98. url: https://doi.org/10.1090/memo/0155.

[Seg68]

Graeme Segal. “Classifying spaces and spectral sequences”. In: Inst. Hautes Études Sci. Publ. Math. 34 (1968), pp. 105–112. url: http://www.numdam.org/item?id=PMIHES_1968__34__105_0.

[Sik04]

Adam S. Sikora. “Torus and \({\mathbb{Z}}/p\) actions on manifolds”. In: Topology 43.3 (2004), pp. 725–748. arXiv: math/0205013. url: http://dx.doi.org/10.1016/j.top.2003.10.009.